ヒトラーと戦った22日間 フル動画無料視聴方法 | noir-movie

2018年製作/118分/ロシア・ドイツ・リトアニア・ポーランド合作 予告動画を検索

アウシュヴィッツと並ぶソビボル絶滅収容所では、ユダヤ人の大量殺戮が行われていた。1943年9月、ソビボルにソ連の軍人・ペチェルスキーが移送されてくる。彼らは綿密な計画のもと、収容者全員での脱出という驚くべき反乱を決行するが…。

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

解説/noir編集部

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「ヒトラーと戦った22日間」はコンスタンチン・ハベンスキー監督によって、2018年の9月8日に劇場公開されています。

実在したソビエト連邦の赤軍軍人をモデルにしていて、監督自らが書き下ろしたオリジナルシナリオを映像化したものです。

ロシア帝政時代のウクライナで生まれたアレクサンドル・サーシャ・ペチェルスキーは、妻と子供の3人で静かに暮らしていました。

サーシャの運命が一転したのは、ナチスドイツがポーランドに侵攻して第2次世界大戦が勃発した1939年からです。

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ソ連の対独抗戦の幕開けとともにサーシャも赤軍に徴用されることとなりますが、ドイツ軍の捕虜となりポーランド東部の収容施設へと収監されます。

国内外のユダヤ人を一掃するためにナチスが建設したソビボル村の強制収容所は、その劣悪な環境のためか生きて帰ってきた者はいません。

中尉という階級バッチと持って生まれた人徳のお陰で、サーシャの周りには密かに脱走を目論む同士が集まってきます。

怒りと無力感に打ちひしがれながらも、サーシャとその仲間たちは1943年10月14日の歴史的な決行日へと向かっていくのでした。

「サーシャ」の愛称で親しまれたアレクサンドル・ペチェルスキーの不屈の生きざまを、ハベンスキー監督が熱演していました。

本職は俳優さんであるだけに、ウクライナに生まれてロシア軍に徴兵されたユダヤ人の血を引くマイノリティの苦悩を巧みに体現していきます。

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サーシャを反乱の中心へと導いていく案内人のレオ役に扮している、ダイニュス・カズラウスカスも精悍な顔つきです。

時にはリーダーであるはずのサーシャを上回るほどの、説得力あふれる言葉で同胞を奮い立たせていく姿には胸が熱くなるでしょう。

親衛隊を率いる冷酷非情な曹長のカール・フレンツェルに、クリストファー・ランバートを配役しているのも正解ですね。

リュック・ベッソン監督作「サブウェイ」での金庫破りの役や、「シシリアン/ストーリー・オブ・ザ・マフィア」を始めとするギャング映画にも欠かせません。

熱すぎる男たちの中でもハンナ役の女優さんミハリーナ・オルシャンスカが、清涼剤としての存在感を発揮していました。

あのアウシュヴィッツと肩を並べるほどに悪名が高い、絶命収容所・ソビボルの佇まいが威圧感たっぷりでした。

厳戒な警備態勢が敷かれている刑務所の中から、如何にしてサーシャたちが自由を掴み取るのか引き込まれていきます。

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将校クラスは中佐のサーシャがたったひとりいるだけで、残るひとりは少佐階級なためにいまいち頼りになりません。

軍隊経験こそないものこの収容所でも1番の古株である、レオは幾多の修羅場を切り抜けているために協力を取り付けたいです。

収容所内で自らの身に迫る危険を感じたユダヤ人は、「ゾンダーコマンダー」と呼ばれる雑役係に逃げ込みます。

処刑場で同じユダヤ人の死体の始末をする汚れ役で、中にはあっさりと同胞を裏切る密告者に成り果てた者もいました。

信頼できる味方を慎重に選んでいくシーンには、心理サスペンスとしての緊迫感もありますね。

600人を越えるユダヤ人たちが暗く閉ざされた牢獄へと押し込まれていく時に、優雅なクラシック音楽が流れています。

その大半が死すべき運命へと直面しているだけに、レクイエムのように聴こえてきて何とも物悲しい音色でした。

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親衛隊の曹長としてサーシャを苦しめるグスタフ・ワーグナーの名前の中には、ふたりの偉大な音楽家が隠れているのにお気づきですか?

ひとりはグスタフ・マーラーでウィーンの王室歌劇場の音楽監督を務めていた1906年に、若き日のヒトラーとニアミスした逸話は有名です。

ほとんどのマーラーの楽曲がヒトラーによって「退廃音楽」のレッテルを貼られてしまったのと比べてみると、リヒャルト・ワーグナーがナチス時代に持て囃されたのは対照的ですね。

「グスタフ」と「ワーグナー」のふたつの顔を持った看守に終盤で降りかかってくる、予想外の事態に注目して下さい。