2018年製作/94分/フランス・ドイツ・ベルギー合作 予告動画を検索
ベル・エポックの時代のパリ。ニューカレドニアからひそかに船に乗りやってきた少女・ディリリ。街では少女の誘拐事件で話題が持ちきりだった。ディリリは偶然出会った配達人のオレルとともに、誘拐事件の犯人と名乗る男性支配団のアジトに向かうが…。
ライター/ジョセフ
見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。
解説/noir編集部
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「ディリリとパリの時間旅行」はミッシェル・オスロ監督によって、フランス・ドイツベルギーの3カ国で合同製作されました。
本国フランスでマルム・フィルム社の配給によって劇場公開された後に、日本でも2019年の8月24日に全国ロードショーされています。
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オスロ監督が書き下ろした95分のオリジナルシナリオを、コンピューターアニメーションによって映像化したものです。
ひとりの赤ちゃんが枯渇する村に潤いをもたらす「キクリと魔女」や、外見上のコンプレックスから1羽もアヒルが解き放たれていく「ゲデオン」など。
絵本のアニメ化からテレビゲームの原作までに挑む、1943年生まれでコートダジュール出身のクリエイターがメガホンを取りました。
2018年度アヌシー国際映画祭でのプレミアム上映作品になり、第44回セザール賞でもアニメーション映画賞に輝いています。
太平洋の小島からパリへとやって来たひとりの少女が、誘拐事件を解き明かしていくファンタジードラマです。
オーストラリア北東の大平洋上に浮かぶフランス領の火山島、ニューカレドニアでディリリは生まれ育ちました。
幼い頃から海の向こう側の世界への憧れを募らせていたディリリは、ある時に船に忍び込んで密航を決行します。
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道中で船員に見つかって危うく放り出されそうになったディリリを、助けてくれたのはルイーズ・ミシェリです。
下船後にルイーズの自宅があるパリへと招かれたディリリは、昼間はアルバイトをしながらしばらくの間彼女のもとで居候をすることになります。
勤め先の万国博覧会の会場で偶然にもめぐり逢ってたちまち意気投合したのが、配達の仕事をしているオレルです。
オレルから最近になってこの街を騒がせている誘拐グループの噂を聞いたディリリは、囚われの身となった少女たちを救うために立ち上がるのでした。
まだ見ぬ広い世界へと飛び込んでいく好奇心旺盛なヒロイン、ディリリ役はプリュネル・シャルル=アンブロンです。
血湧き肉躍る冒険の数多くと、女の子から大人の女性との間で揺れ動く微妙な胸の内を巧みに表現していました。
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見ず知らずの異国の地でディリリにとっては初めて出来たお友達、オレル役に起用されているのはエンゾ・ラツィトです。
お転婆すぎるディリリに振り回されながらも、少しずつ彼女に心惹かれていく様子が在り在りと伝わってきます。
エンマ・カルヴェ役に、世界最高峰の声楽家であるナタリー・デセイがキャスティングされているのが驚きです。
劇中では19世紀のパリに実在したオペラ歌手に成りきって、持ち前の美声を活かしたパフォーマンスを披露していました。
社会現象にまで発展した「君の名は。」の新海誠監督の愛娘・新津ちせから斎藤工まで、日本語吹き替え版も豪華なラインナップですよ。
古今東西の文化が混じり合って新進気鋭のアーティストたちが競い合った、旧き良き時代のパリの街並みが描き出されていきます。
時代背景としてはベル・エポックと呼ばれている、19世紀の終わりから第1次世界大戦の勃発直前くらいまでです。
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ディリリがお目にかかる有名歌手のエマ・カルヴェが、ガウンの下に着物を着ているのを見逃さないで下さい。
葛飾北斎や歌川広重など浮世絵版画家に代表されるような、ジャポニズムの影響も味わうことが出来るでしょう。
万博のシンボルタワーおして1889年に急ピッチで完成されたばかりの、エッフェル塔の雄大な佇まいが壮観でした。
当時から営業していたタワー内のレストランや、いま現在にはないクーポール式の丸天井も観光気分で楽しめるはずです。
ディリリ一向が誘拐団を追い詰めていく終盤戦の舞台となる、下水道もCGもリアリティーを追及して再現されています。
ナポレオン3世の失脚によって絶対君主制が崩壊した直後の、開放的で自由な空気が全編に満ち溢れていました。
船の上でディリリに救いの手を差し伸べてくれたルイーズ・ミシェリのように、急進的な政治思想に目覚める人も少なくありません。
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行き交う通行人から世界各国から押し寄せる観光客まで、顔ぶれが実に多種多様なのもパリの魅力のひとつですね。
ニューカレドニアの先住民族・カナックと、フランス人のふたつの祖先を持つディリリのルーツにも思いを巡らせてしまうはずです。
家庭内に閉じ込められていた女性たちが、社会の中へと飛び込んで手に職を付けていくようになった転換期にも当たります。
花の都・パリに暗い影を落としている誘拐騒ぎの背後にあるのは、旧時代からの負の遺産とも言うべき男性至上主義です。
新しく台頭してきたディリリたちが、如何にして古い価値観やしがらみを断ち切っていくのか見応えがあります。