ロビンがポリオと診断されたのは、ダイアナと結婚し、もうすぐ子供が生まれる幸福絶頂の時だった。余命数カ月と宣告され、病院のベッドから1歩も動けず絶望するロビン。だがダイアナが自宅介護に踏み切ったことで、彼の人生は再び輝きを取り戻していく。出典: U-NEXT
ライター/ジョセフ
解説/noir編集部
#01ブレス しあわせの呼吸フル動画無料視聴方法
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#02ブレス しあわせの呼吸作品情報
「ブレス しあわせの呼吸」はアンディ・サーキス監督によって、2018年の9月7日に劇場公開されています。
モーション・アクターとして活躍していた異色の経歴を持つ、1964年生まれでロンドン出身の俳優の監督デビュー作です。
30代独身女性のロンドン生活が多くの共感を呼んだ「ブリジット・ジョーンズの日記」や、波乱に満ちた時代をひとりの女王が治める「エリザベス:ゴールデン・エイジ」等。
ロマンティック・コメディから歴史ドラマまでを手掛けてきた名プロデューサー、ジョナサン・キャヴェンディッシュが自身の父親をモデルに企画を立ち上げました。
第42回のトロント国際映画祭でのワールドプレミア上映を皮切りにしてアメリカ、イギリスと世界各国で公開されています。
若くしてポリオに罹ってハンディキャップを負った青年が、家族のサポートと自身の努力によって人生を謳歌するヒューマンドラマです。
作品データ
上映時間 | 118分 |
製作年 | 2017年 |
製作国 | イギリス |
原題 | Breathe |
配給 | KADOKAWA |
公式サイト | 映画『ブレス しあわせの呼吸』公式サイト |
#03ブレス しあわせの呼吸予告動画・あらすじ
予告動画
あらすじ
英国陸軍を除隊となったロビン・キャヴェンディッシュがダイアナとめぐり逢ったのは1956年のことで、すぐさまにふたりは恋に落ちました。
経済的に安定した収入のない26歳の青年とのお付き合いについて、ダイアナの双子の兄たちは余り良い顔をしません。
そんな心配を他所にロビンとダイアナは順調に交際を重ねていき、結婚後は事業を起こすためにケニアへと渡ります。
ロビンが始めた茶葉の仲買も軌道に乗り始めていき、プライベートでもダイアナが第1子を授かるなど順風満帆です。
そんなある日のことロビンが突如として体調の異変を感じて動けなくなり、都市部の病院まで緊急搬送されます。
医師から告知された予想外の病名によって、ロビンとダイアナは数々の苦難に立ち向かっていくことになるのでした。
#04ブレス しあわせの呼吸キャスト・スタッフ
#05ブレス しあわせの呼吸見どころ
型に嵌まらない人物像を演じる
型破りかつ自由奔放な主人公のロビン・キャヴェンディッシュを、アンドリュー・ガーフィールドが好演していました。
「アメイジング・スパイダーマン」シリーズでの縦横無尽な大暴れで有名ですが、今作では首から下が動かせないという難役にチャレンジしています。
まばたきで周りの人たちに喜怒哀楽を表現したり、肉体的な異変を舌打ちでアピールしたりと細部まで手を抜きません。
献身的な介護と揺るぎない夫への愛を捧げていくダイアナの役には、クレア・フォイのイメージがぴったりです。
時には重苦しく痛々しいエピソードも、この女優さんが演じていると無理なく受け止めることが出来るでしょう。
ダイアナの双子の兄であるブロッグスとデヴィッドに、トム・ホランダーがひとりふた役の離れ業で扮していました。
映画冒頭でこそ妹のフィアンセに疑り深そうな眼差しを注いでいますが、中盤以降に微妙に態度を変えているところに注目して下さい。
新天地を切り開く
まだ見ぬ景色を求めて旅立った若き日のロビンたちを待ち受けている、ケニア・ナイロビの雄大な自然には目を奪われます。
間もなく数々の過酷な試練が夫婦に訪れることになっても、ロビンとダイアナの旺盛な好奇心だけは失われることはありません。
大学都市として有名なイングランド東部のオックスフォード州から、政治・経済の中心地ロンドンまでドライブ旅行に繰り出していきます。
バリアフリー使用で快適に改装された自動車の車窓から眺める、歴史ある街並みや風光明媚な丘陵地帯は格別の味わいです。
国内に止まることなく、自家製の航空機シートを機内に持ち込んで海外旅行まで敢行してしまう行動力に感心させられました。
中世騎士道物語に深いゆかりのあるフランスの古戦場、更にはスペインへとロビン一向の旅のお供のような気分を味わって下さい。
自由になるためのアイデア
長男の散歩用に重宝しているベビーカーから、人口呼吸器搭載の車椅子を発明してしまうなど抜け目がありません。
ロビン自身がモニターとなって製作に携わるからこそ、多くの介護者にフィットした新製品が誕生するのでしょう。
頭部を左右に揺り動かすだけでテレビのリモコンを操作出来たり、エアコンの温度調整までが可能な「ポスパム」も驚きです。
電子リクライニングシートの発明によって、ロビンは念願だったダイアナとの飛行機旅行を楽しむことが出来るようになりました。
小さなアイデアや工夫を凝らすことによって、自分だけではなく同じ病と闘っている患者たちにも勇気を与えていきます。
お茶の仲買人からスタートして闘病生活の合間に社会運動家、発明家としての顔まで持ち合わせていて実に魅力的ですね。
#06ブレス しあわせの呼吸 感想・評価
自由を存分に味わう
周囲の反対を押し切ってお互いへの気持ちを貫き通しつつ、生涯を誓い合う若いカップルを応援したくなりました。
財産や社会的な名声よりも、愛する人との波乱に満ちた道のりを歩んでいくことを選択したダイアナが清々しいです。
緑豊かな自然に囲まれているアフリカの大地に立ち尽くして、ロビンが大きく深呼吸をする場面が用意されています。
「ただ呼吸するだけでなく、人間らしく生きたい」という、映画後半に登場するロビンのセリフの伏線になっていて心憎いです。
もう1度幸せを掴むために
きっかけはごく些細な右手の指先の違和感から始まっていき、じわりじわりと侵蝕されていく恐怖感がリアルです。
幸福の絶頂期において身体の自由を奪われてしまい、生きる希望を失っていくロビンの姿には胸が痛みました。
やがては全身にマヒが行き渡り命に関わるほどの症状に見舞われるようになり、医師からは余命数カ月の宣告をされてしまいます。
人口呼吸器無しでは生きることが出来ない夫を、幼子を抱えた妻が無理矢理に退院させてしまうシーンが痛快でした。
育児をこなしながら家事も疎かにせず、在宅介護の過酷さにも弱音を口にすることのないダイアナが素晴らしいです。
そんな完璧なダイアナに励まされるかのように、ロビンも1度は諦めたはずの幸せを手に入れようと奮闘していきます。
自分で幕を下ろす
精力的に各地を巡って講演活動に取り組んでいたロビンに、ドイツの学会から世界へ向けてメッセージを送るチャンスが訪れます。
「重度の障がいを持つ人も持たない人も、お互いが尊敬し合えるように」という、ロビンが残した言葉が印象深かったです。
ポリオを発祥した20代から40年余りを入院生活ではなく在宅ケアにこだわり抜いた、ロビンの強い意志が伝わってきます。
いよいよ死期を悟った64歳の時には延命措置ではなく安楽死を希望するなど、最期まで自分らしく生きることについて考えさせられました。
みんなの感想・評価
#07ブレス しあわせの呼吸 まとめ
エンドロール直前には生前のロビンを捉えた貴重な映像が紹介されますが、主演のアンドリュー・ガーフィールドが見事にアプローチしていたことに驚きです。
ロビン・キャヴェンディッシュ記念基金の創設など、その功績が高く評価されて死後も大きな影響を与えていることが分かりました。
まさに「揺りかごから墓場まで」のキャッチフレーズ通りに、イギリスの充実した社会保障の在り方を垣間見ることが出来ます。
金銭的な援助はもちろんのこと、個人の意志が尊重されている社会全体や国民性の寛容性にも好感が持てました。
医療現場で働いている皆さんや、いま現在で介護の仕事に従事している方たちは是非ともこの1度をご覧になってください。